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フッ素供給網、強靭化急ぐ 半導体・電池向けなど安定生産

【2023年4月6日付 深層断面 日刊工業新聞電子版

ユニークな特性からさまざまな産業で使われるフッ素化学品。半導体や次世代電池など向けに需要が拡大しており、経済安全保障の観点からもサプライチェーン(供給網)の強靱(きょうじん)化が急がれている。フッ素化学の動向や各社の課題認識、対応策などを追った。

「半導体関連の対中輸出管理規制で、蛍石が(中国による)報復対象になることも考えられる。そうした場合、(日本の)半導体製造に影響が出るのでは」。化学メーカー幹部から、このような懸念の声が上がっている。

フッ化水素から作られるフッ素化合物は、半導体を製造する工程でのエッチングや洗浄用のほか、次世代電池の電解質や半導体製造装置の樹脂部品などにも使われ、先端分野のデバイスには欠かせない戦略品。半導体製造に欠かせない高純度フッ化水素は日本企業が高いシェアを握り、このほど韓国向け輸出管理の厳格化措置緩和が決まったことも話題となった。

ただ、その川上では中国への依存度が大きいのが現状だ。フッ化水素の原料となる、フッ化カルシウム含有率の高い化学用蛍石は、中国からの輸入がほとんど。フッ化カルシウムが97%を超える蛍石はアシッドグレードと呼ばれ、

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