日鉄物産(東京都中央区、中村真一社長)は17日、ベトナムの不動産開発会社ヴィグラセラ・リアル・エステートと同国の工業団地の販売代理店契約を締結したと発表した。同社がベトナム北部と中部で合計15カ所運営する工業団地について、日鉄物産が日系企業などへの販売を推進する。人口が1億人に達したベトナムで、輸出拠点の構築や内需の取り込みを狙う製造業の進出ニーズに応える。
日鉄物産は2017年にベトナム南部の工業団地販売に参画しており、今回の契約を通じて同国北部や中部へと事業エリアを拡張する。同国最大の都市ホーチミンがある南部に続き、首都ハノイなどがある北部でも工業団地ニーズが高まっているという。
ヴィグラセラが手がける工業団地面積は合計約4500ヘクタールに上り、すでに日系企業28社が入居している。日鉄物産はタイやメキシコでも参画中の工業団地事業の経験を生かし区画の拡販を狙うほか、ヴィグラセラとの協業を通じ工業団地内のインフラ開発への参画も視野に入れる。