「必ず起こる」BCPに反映
地球温暖化の進行は私たちの日常や経済活動に深刻な影を落とし始めている。気候変動は未来の脅威ではなく、既に私たちの日常を脅かす「現在の危機」だ。本稿では、気候変動に伴い激甚化・頻発化する自然災害の現状を概観し、企業におけるレジリエンス(復元力)の喫緊の必要性を探る。
豪雨・洪水 世界が直面
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第6次評価報告書は、人間活動が地球温暖化を引き起こしてきたことに「疑う余地がない」と断言した。これを受け、脱炭素化に向けた国際的取り組みが進められているものの、世界の平均気温上昇は深刻だ。2024年には産業革命前からの気温上昇が、パリ協定の努力目標である1・5度Cを上回る状況も観測された。この1・5度Cは、不可逆的な自然破壊をかろうじて免れることができる限界線とも言われる。
トッ地球温暖化は、特に大雨の頻度と強度を増大させる。IPCCによれば、…