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特集

【連載】ミャンマー投資の今(下)日本を含む東アに期待

【2019年2月22日付 総合4面 日刊工業新聞電子版

1月末のミャンマー投資サミットで展示見学するアウン・サン・スーチー国家顧問(投資企業管理局提供)

「東南アジア最後のフロンティアとして無数の投資機会を提供する」。1月、ネピドーで開いたミャンマー初の官民共催投資サミットで、アウン・サン・スーチー国家顧問は聴衆にこう呼びかけ、近年の教育、小売り・卸分野での規制緩和政策もアピールした。

ミャンマー政府が誘致に躍起になる背景に、外国投資の減少がある。2011年の民政移管以降、外資開放路線をとり、外国投資を順調に伸ばしてきたが、投資認可額は15年度をピークに減少。17年度は15年度比6割の57億ドル(約6200億円)と落ち込んだ。

少数民族ロヒンギャをめぐる混乱で高まる国際的批判が投資環境に影を落とす。欧米の批判が続く中で、ミャンマーは日本を含む東アジアに期待を寄せる。

だが投資企業管理局の上田隆文JICA投資促進アドバイザーは「関心はあってもすぐに投資を決断する日系企業が少ない」と指摘。土地の権利関係が不明瞭で入札しづらいといった要因を挙げる。改善に向かってはいるがまだ続く電力不足や、不安定な為替など阻害要因は他にもあるが「日系コンソーシアムで(リスク分散して)進出を考えている」(日系小売業)と前向きな姿勢もある。

ミャンマーの直近の国内総生産(GDP)成長率は6・7%と高水準で中長期の見通しも強い。投資環境が整うのを待つか、先行者利益をつかみに行くか。投資環境の見極めと、リスクに見合った投資判断が日系企業に求められている。

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