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特集

【連載】ミャンマー投資の今(中)インフラ開発、質の高さで差別化

【2019年2月15日付 総合5面 日刊工業新聞電子版

日中間でミャンマー経済特区周辺のインフラ開発支援競争が激化している。日本はヤンゴン近郊のティラワ経済特区(SEZ)の支援を行う一方、中国はインド洋沿岸のチャオピューSEZの開発計画を主導。日本は中国の一帯一路政策に警戒感を抱きつつ「質の高い」インフラ開発で中国との差別化を図る。

日本は、2013年から円借款でティラワSEZの周辺インフラ整備を行う。18年には火力発電所などの電力インフラを一新し、以前は月5回程あった停電も改善。今後はティラワ港のコンテナターミナルを拡張、道路や通信の整備も進める。

同SEZは、総開発面積2400ヘクタールの内4分の1が開発を完了しており、進出企業数は105社に達する。ティラワSEZ管理委員会のニラ・チョー副委員長は、「ティラワSEZの事業が国全体の発展を促進している」と日本の質の高い支援を受け手応えを示す。

一方中国が開発を主導するチャオピューSEZは計画段階。インド洋にアクセスするために、チャオピューと、中国国境付近のムセを結ぶ鉄道建設などインフラ開発を急ぐ。

これに対し丸山市郎駐ミャンマー大使は、個人的な意見とした上で「SEZ開発を利用して交通インフラを整備しようとしている」と、地政学的利益の獲得が背景にあると懸念を示す。こうした中でも丸山氏はミャンマーのインフラ開発支援で「(日本の)トップを揺るぎないものにしたい」とし質の高さを重視する。

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