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三暁、伝統の鍛造アピール 広島・鞆の浦に多目的スペース開設

【2022年11月17日付 西日本面 日刊工業新聞電子版

カフェと間違えて、突然訪ねてくる人が続出しているという。広島県福山市の景勝地、鞆の浦に隣接する鞆鉄鋼団地に突如、目を引く建物が出現した。大きな木組みの格子状の天井を鉄柱が支え、ガラスの壁が囲む。広く取ったオープンスペースを風が通り抜ける。

これは三暁(広島県福山市、早間寛将社長)が建設した多目的スペース「santo(サント)」。地元福山市在住の建築家・前田圭介氏が設計を手がけ、複数の専門誌に紹介されるなど建築業界からも注目を集めている。

敷地面積約401平方メートル、延べ床面積約192平方メートル。2017年に同社が事業承継した老舗の鍛造工場に隣接しており、鍛造で作った家具やアウトドアグッズなどを展示・販売する。19年から始めた鍛造体験ツアーの参加者が使えるよう、シャワールームや調理設備なども備える。

「伝統技術の『鞆鍛冶』を残すには、一般の人にもっと知ってもらわないと。そのためには間口を広げ、工場とつながるような空間を作りたかった」と早間社長。

今後は鍛造体験ツアーの参加者向けだけでなく、顧客の接遇や一般客向けのサービスなど、幅広く活用法を検討していくという。(福山)

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