ニプロは13日、福島県白河市での経口剤の新工場建設を断念すると発表した。子会社のニプロファーマ(大阪府摂津市)が、福島県営工業団地「工業の森・新白河A―1工区」で年産約12億錠のジェネリック医薬品(後発薬)や生産受託品を生産する計画だった。2025年7月の稼働を予定していたが、建設費用や原材料費、エネルギー費用などが高騰しているほか、地震被害対応の見通しがついたため、福島県との工場立地の基本協定を解除した。
ニプロファーマ鏡石工場(福島県鏡石町)が21年と22年の福島県沖地震で被害を受けたが、2、3年以内に埼玉工場(埼玉県春日部市)や全星薬品工業(大阪市阿倍野区)の大阪府内2工場に経口剤生産を移管できる見通しも付いた。
新工場は投資額約130億円、新規雇用約100人の計画だった。