住友商事はバングラデシュのダッカ管区ナラヤンガンジ県で運営する工業団地を現状比6割増の約133ヘクタールに拡張する。2022年末に完成した第1期開発エリアの区画販売が進展したことを踏まえ、第2期の開発工事を2月中に開始し25年1―3月期の完成を見込む。若年層を中心に約1億7000万人の人口を抱える同国では高い経済成長が続いており、内需を狙う製造業の進出ニーズを取り込む。
拡張する工業団地はバングラデシュの首都ダッカ中心部から自動車で約1時間の場所にある。同国政府が許認可手続きを優遇する「バングラデシュ経済特区」の中に位置する。開発事業会社には住友商事が61%、バングラデシュ経済特区庁が24%、国際協力機構(JICA)が15%出資している。
バングラデシュは輸出の約9割を縫製品が占める一方、近年は内需向け商品などを生産する他の産業の企業進出が進んでいる。同工業団地の第1期開発区域には、日本からはライオンが進出。このほかトルコ家電メーカー傘下のシンガーが工場用地を取得したほか、食品会社が予約契約を締結した。住商はさらなる企業進出を見込んで…