テスホールディングス(HD)は20日、インドネシアで、農作物残さ由来のバイオマス燃料工場の地鎮祭を開いた。パーム油を絞った果実「EFB」を原料にペレットを製造する。2026年6月の操業を予定し、年間約1万トンを生産する計画。敷地面積は1万1000平方メートル。地鎮祭で山本一樹社長は「インドネシアに大量にある未利用の農作物残さを有効活用するビジネスモデルをつくっていきたい」と意気込んだ。
工場は北スマトラ州のセイマンケイ工業団地に位置し、テスHD子会社のPTリサーチアンドデベロップメント(リアウ諸島州)が運営する。EFBペレットはナトリウムやカリウムを規定値以下に除去する必要があり、低コスト生産が難しかった。テスHDは量産技術を磨き上げ、中期的に年産10万トンの能力獲得を目指す。
FFBはヤシがら(PKS)と違い、輸送効率が悪く水分含有量が多いためバイオマス燃料の利用が進まず土壌汚染などの問題になっている。パーム油生産国の環境改善に貢献できるほか、搾油工場などとのサプライチェーン(供給網)構築で効率的な生産が期待できる。