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未来を変える/元環境事務次官(日本製鉄顧問、三千年の未来会議代表理事)・中井徳太郎

【2025年3月4日付 SDGs面 日刊工業新聞電子版

「GX2040ビジョン」閣議決定

150兆円規模の官民投資を呼び込む10年間で20兆円規模の先行投資支援策と成長志向型カーボンプライシング構想を車の両輪とするGX(グリーン・トランスフォーメーション)が始動しているが、今般、「GX2040ビジョン」が閣議決定された。併せて、我が国の次期温室効果ガス削減目標(次期NDC)が策定され、50年ネット・ゼロ実現に向けた直線的な経路として、30年度46%削減の先に、35年度60%削減、40年度73%削減の目標を定めた。

この背景として、ロシアのウクライナ侵略や中東情勢の緊迫化、デジタル変革(DX)やGXを通じた電化などによる電力需要の増加、経済安全保障上の要請でのサプライチェーン(供給網)再構築、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)に必要な革新技術の導入スピードやコスト低減見通しなど、将来見通しについて不確実性が高まっていることがある。こうした中、事業環境の予見性を高め、GX投資を後押しするため、経済安全保障やDXも包含し、エネルギー、GX産業構造、GX産業立地、GX市場創造を総合的に検討し、「脱炭素成長型経済構造移行推進戦略」を改訂し、「GX2040ビジョン」を示したものだ。

本ビジョンは

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