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コラム

【連載】グローバルの眼/コロナ禍の政府の在り方

【2020年8月7日付 国際面 日刊工業新聞電子版

経済主体とのバランスを

今回のコロナ禍をたとえれば、「走行中の電動アシスト自転車に、いきなりブレーキがかかり、その衝撃で車輪のチェーンが脱落。危険だからと行政が停車を命じたため、運転していた人は自転車を放置もできず。そんな中、バッテリーが切れたので、やむを得ず、自転車を歩いて運んでいる状況」とでも表現できよう。生じたのは需要消失と生産の急落、それに経済主体の体力の消耗の三つである。

こうした際の緊急支援は、現代国家にあっては、政府に課せられた義務とも受け取られ、各国政府はいずれも、速やかに関係者や関係団体の救済に動いた。問題は、その支援規模の巨大さと支援対象の裾野の広さ故に、政府が何時とは知らぬ間に、己の能力を超えて、過剰な介入に踏み込み、それがまた、既存の市場・社会メカニズムに後戻りできない程の後遺症となって残る可能性をもたらしたことである。

例えば、今回、無尽蔵につぎ込んだかに見える財政支出と、…

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