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コラム

【連載】グローバルの眼/ミャンマー、第2期スーチー政権の課題

【2021年1月8日付 国際面 日刊工業新聞電子版

■経済回復、まずコロナ対策

2020年11月8日にミャンマーで連邦議会選挙が実施され、スーチー氏率いる与党・国民民主連盟(NLD)が地滑り的な大勝利を収めた。連邦選挙委員会の発表によると、NLDの獲得議席数は396議席と、15年総選挙時の獲得議席数390議席を上回り、連邦議会642議席(選挙が実施できなかった22議席を除き、国軍司令官が任命する軍人議員166議席を含む)の61.7%を確保した。最大野党で国軍系の連邦団結発展党(USDP)は不正があったとして選挙のやり直しを求めているが、国軍司令官は選挙結果を尊重するとしており、21年3月末にスーチー政権は2期目をスタートさせる見通しである。

今回、NLDが大勝という結果になったとはいえ、16年3月末に始まった第1次スーチー政権が十分な成果を残したとは言いがたい。実際、第1次政権期間の平均実質国内総生産(GDP)成長率はプラス6.3%と、テイン・セイン政権(11年3月―16年3月)のプラス7.0%から伸びが鈍化している。この背景の一つとして、対内直接投資の不振が挙げられる。第1次スーチー政権発足から20年10月までの対内直接投資認可額は年平均で約51億ドルと、テイン・セイン政権期と比べて7.6%下回る。これは、第1次政権の発足後、スーチー氏が憲法改正と自身の大統領就任に注力する一方、経済成長に向けた取り組みは不十分で、投資環境整備の遅れを懸念した外資が投資をためらったためである。18年春には、卸・小売業や金融・保険業への外資参入規制の緩和を発表するなど、経済軽視の姿勢を改める動きも見られたものの、20年入り後の世界的な新型コロナウイルス感染拡大で対内直接投資は再び減少トレンドとなっている。

選挙ではスーチー氏への国民の支持は健在であることが示されたものの、…

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