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コラム

【連載】グローバルの眼/予断許さぬ米中貿易摩擦

【2019年12月27日付 国際面 日刊工業新聞電子版

根本的な解決へ時間必要

12月13日、米中間で貿易合意の第1段階が成立した。知的財産、技術移転、農業、金融サービス、為替の分野に関して合意が成立したとされ、米国は12月15日から発動する予定であった1600億ドル相当の輸入品に対する追加関税第4弾リストBを無期限で延期した。同時に、9月1日から実施されている追加関税第4弾リストA(1200億ドル相当)に対する追加関税率は、従来の15%から半分の7・5%へと引き下げられる。これまでの交渉過程においても、追加関税発動の延期はたびたび行われてきたが、追加関税率の引き下げは、2018年7月に米国が対中追加関税を発動して以降、初めてのことであり、今回の合意はこれまで悪化の一途を辿(たど)ってきた米中関係にとって大きな一歩になったと言える。

今回、米中間で合意に達した背景としては、米国としても追加関税第4弾リストBの発動を回避したかったという事情があると考えられる。追加関税第4弾リストBには、スマートフォンなど消費財が多く含まれており、仮に発動されれば、とりわけ米国家計への影響が大きくなることが懸念されていた。20年に米国大統領選挙を控える中、再選を目指すトランプ大統領は、追加関税で家計の負担感が増し、支持率が低下することを避けたかったとみられる。

こうした事情に鑑みると、…

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