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コラム

【連載】グローバルの眼/中国の厳しい受験戦争

【2019年9月4日付 国際面 日刊工業新聞電子版

今なお“孟母三遷”

北京の小学校の正門前。塾の看板を持つアルバイトや家族が待つ

9月は中国の新入学シーズンだ。毎年8月末に中国の大学の近くを歩くと、大きなスーツケースを抱えた新入生とすれ違う。大学の寮に入るための“引っ越し”を行っているのだ。中国の大学は基本的に全寮制。欧米の大学と同じように、キャンパス内に食堂や売店など生活に必要なすべてのものがそろっている。

中国の大学というと、厳しい受験戦争を思い浮かべる人が多いだろう。中国の大学受験は「高考(ガオカオ)」と呼ばれる。日本のセンター試験のようなもので、毎年6月に2日間実施される。全5教科で、その総合点によって進学できる大学が決まる。今年の受験者数は約1000万人で、昨年とほぼ横ばい。日本のように私立の大学が多数あるわけではなく、試験は「高考」一発勝負のため、学生たちのプレッシャーは計り知れない。浪人は中国では一般的ではなく、専門学校も日本のように充実しているわけではないからだ。

中国では、…

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