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コラム

【連載】グローバルの眼/中国自動車販売の今後

【2019年9月18日付 国際面 日刊工業新聞電子版

米中対立激化、最大のリスク

中国では自動車販売の不振が続いている。2018年の自動車販売は2808万台と前年比2・8%減だった。今年に入っても販売の不振は続いており、1―7月累計で1413万台と前年比11・4%減に落ち込んでいる。不振の原因は、激しさを増す米中対立が招いた株価下落の影響、住宅価格高騰による消費抑制効果、17年末で終了した小型車減税の影響、19年7月1日に計画より前倒しで導入された新しい排ガス規制(通称「国6」)の影響などが指摘されている。世界の自動車販売で約30%のシェアを占める中国は、約18%の米国や約22%の欧州を上回り、日本の5倍を超える巨大市場であるだけに、世界経済が抱える不安材料のひとつとなっている。

ここで中国の自動車市場の特徴を概観しておくと、18年の販売のうち2371万台は乗用車で全体の約85%を占めており、商用車は約15%にあたる437万台だった。また、輸入はごくわずかで、18年の輸入は中国の税関調べで、113万台と、販売全体に占める比率は4・0%に過ぎない。また、世界の工場と呼ばれる中国の割に輸出も少なく、18年の輸出は同調べで115万台と、生産に占める比率は4・1%である。その結果、中国の自動車市場は、輸出入の比率が小さく、生産と販売がほぼ拮抗(きっこう)した市場となっている。

ところが、…

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