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コラム

【連載】新興国ウオッチ(6)ブラジル 深まる混迷、EPAに活路

【2018年9月6日付 金融面 日刊工業新聞電子版

ブラジル経済の先行きは不透明性を増している。2015年、16年は汚職事件などに伴う政治の混迷の影響により、2年連続でマイナス3・5%の大幅なマイナス成長となったが、テメル政権発足後は安定し17年に1%のプラス成長を達成。今年も内需がけん引し2%以上の成長率が見込まれていた。しかし5月下旬、ブラジル全土で燃料価格の高騰に端を発したトラック輸送業界によるストライキが発生。これを一因として、ブラジル政府は今年の成長率予測を従来の2・5%から1・6%に引き下げた。

ストライキによる影響は成長鈍化にとどまらず為替市場ではレアル安が進行。米国の利上げに加え、世界的な貿易摩擦への懸念により、ブラジルを含む新興国市場からの資金流出が発生した。自国通貨が減価する中、ブラジル中銀は市場での通貨スワップ取引などでの対応を余儀なくされたが、政策金利引き上げはいまだ実施されていない。中銀は経済活動の動向やインフレ率を踏まえて政策金利を決定するとしている。

経済見通しの不確実性に拍車をかけているのが、10月に控える大統領選挙だ。8月15日に候補者の登録期限を迎えたが、現時点で突出した候補者はおらず、選挙の行方は決選投票までもつれる可能性が高い。

選挙に伴い注目が集まっているのが、…

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