2018年6月、タイのプラユット首相は、従来19年2月に行うとしていた民政復帰に向けた総選挙の延期をほのめかした。選挙延期により、政党や国民の不満が高まる恐れもあり、首相の発言に注目が高まっている。
14年の軍事政権成立当初、プラユット首相は15年中の選挙を約束していたが、憲法制定作業の遅れなどを理由にこれまで大幅に延期してきた。背景には、親タクシン派のタイ貢献党の勢力伸長への恐れがあるとも言われるが、結果として4年にわたって軍事政権が存続することとなった。
この間、軍事政権の影響力を民政復帰後も存続させるための取り組みが行われた。特に、17年に施行された憲法では、民政復帰後の最初の…