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特集

【連載】沖縄でつくる 製造業の選択(2)コンボルト・ジャパン 強い燃料タンク全国500基

【2018年06月21日付 中小企業・地域経済面 日刊工業新聞電子版

環境性と安全性の高い燃料タンクを製造(本社工場塗装工程)

米軍基地に納入

コンボルト・ジャパンは、鉄筋コンクリートで覆って強度を高めた液体燃料用鋼製タンクのメーカー。製品は厳しい気候や衝撃、温度変化に強い屋外地上タンクとして環境性や安全性が売り。大型製品は重さ38トンを超えるが沖縄から全国に出荷している。

本社工場は沖縄県中部の経済特区「国際物流拠点産業集積地域」にある。2003年に立地し、同地域のモノづくり企業では古参になった。空き地ばかりだった周囲も「最近は開けてきた」と、島袋進専務は変化を語る。

当時の親会社による事業参入で立地。米企業のライセンスを得て、同タンクを沖縄の米軍基地向けに製造する新事業だった。沖縄以外に顧客を広げ、官民合わせ約500基を販売してきた。

物流の課題なお

沖縄の製造業にとってネックは物流。産業構造上、物資の多くを移輸入に頼るが県外出荷は少ない。貨物量が偏る「片荷」で輸送料は高くなる。同社の場合、原材料の多くは県内調達が可能。他方、北海道まで広がる客先への配送コストは重い。

近隣の産業港から東京・大阪向け定期便はあるが運航は実証段階。「寄港時間が短いなど、まだ使いづらい」(金城盛伸常務)状況。車で1時間弱の那覇港への横持ち輸送が不可欠になる。

県の立地企業向け輸送費補助は約2年前に対象外になった。すべて自前でまかなう面では“独り立ち”を始めたところ。島袋専務は「いい人材を沖縄にとどめるためにも、製造業は絶対必要」と自負する。

コスト吸収には、製品の付加価値を高めた新たな市場分野で対応する。過疎地向け給油施設としての提案や、地理的に近い台湾への展開で、製品同様に強固な収益基盤を築く。

【企業概要】

■企業名=コンボルト・ジャパン ■本社=沖縄県うるま市 ■代表者=島袋修社長 ■製造品=液体燃料タンク

 

【連載】沖縄でつくる 製造業の選択

沖縄県の経済特区への企業誘致が好調だ。県中部の「国際物流拠点産業集積地域うるま・沖縄地区」の立地企業数は2018年3月末で67社となり、前年から9社増え過去最高の企業数を記録した。立地の形態にも変化が見られる。これまでは賃貸工場への入居がメーンだったが、分譲地への進出も多くなっており、分譲地不足の懸念すら出始めた。

沖縄は製造業の“不毛の地”という不名誉な呼ばれ方もあった。事実、県内総生産に占める製造業の割合は低下傾向で、この10年間はおおむね4%台で推移する。好調な観光がけん引し、伸びを見せる建設業やサービス業とは対照的だ。だが、沖縄でモノづくりをする企業は確実にいる。なぜ「沖縄でつくる」のか。立地企業から答えを探る。

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