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特集

【連載】沖縄でつくる 製造業の選択 特別編(上)アジア見据え台湾と連携

【2018年8月23日付 中小企業・地域経済面 日刊工業新聞電子版

台北市で開いた台湾・沖縄ものづくり連携商談会(アットモアの商談ブース)

海を挟んで隣接する沖縄と台湾。台湾から沖縄を訪れる観光客は年間約81万人(2017年度)と地域別で最も多い。かつて日本が台湾を統治していた経緯からも両地域は歴史的に交流が深い。その交流を観光だけでなく、製造業でも活発にしようと沖縄県工業連合会(那覇市)が動いている。

8月15日、工連は南西地域産業活性化センター(NIAC、那覇市)と台湾・台北市で「台湾・沖縄ものづくり連携商談会」を開いた。16年に工連とNIACが、台湾の経済団体・台日商務交流協進会、調査研究機関の台湾経済研究院と結んだ連携協定の一環だ。

4者の枠組みで主催した商談会は初。「沖縄と台湾は良きパートナー。台湾にはグローバルな発想、技術がある。魅力を知ってほしい」と協進会の鍾維永顧問は力を込めた。

台湾からメーカーなど11社、沖縄から3社が参加。鋼製タンクで台湾進出を狙うコンボルト・ジャパン(沖縄県うるま市)は「関係づくりができた。継続参加し、市場の正確な情報収集につなげたい」(大城明弘営業開発部長)とした。化粧品を扱うアットモア(那覇市)、百貨店のリウボウインダストリー(同)も参加した。

沖縄地区税関によると、沖縄から台湾への輸出額は約37億円(17年、前年比11・7%増)。地域別では韓国、フィリピンに次ぎ3番目に多い。鉄鋼製品や原材料以外では、化粧品、建設機械、飲料、農水産品が目立つ。

地場製造業による沖縄での生産品に限ってみると伸びしろは大きい。県内企業の意識はアジア市場に向き始めており、日本製の強みも追い風にできる。

4者は協定に基づき、今後も催事などを通じて交流を進める。工連の呉屋守章会長は「両地域で規模の差はあるが、長期的視野で知恵を出し合いたい」とし、連携の深化に汗をかく構えだ。

 

【連載】沖縄でつくる 製造業の選択

沖縄県の経済特区への企業誘致が好調だ。県中部の「国際物流拠点産業集積地域うるま・沖縄地区」の立地企業数は2018年3月末で67社となり、前年から9社増え過去最高の企業数を記録した。立地の形態にも変化が見られる。これまでは賃貸工場への入居がメーンだったが、分譲地への進出も多くなっており、分譲地不足の懸念すら出始めた。

沖縄は製造業の“不毛の地”という不名誉な呼ばれ方もあった。事実、県内総生産に占める製造業の割合は低下傾向で、この10年間はおおむね4%台で推移する。好調な観光がけん引し、伸びを見せる建設業やサービス業とは対照的だ。だが、沖縄でモノづくりをする企業は確実にいる。なぜ「沖縄でつくる」のか。立地企業から答えを探る。

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