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特集

【連載】沖縄でつくる 製造業の選択(3)リュウクス 飛灰のコンクリ建材に追い風

【2018年06月28日付 中小企業・地域経済面 日刊工業新聞電子版

本社工場(うるま市)のフライアッシュ改質プラント

混ぜて塩害防ぐ

リュウクスはコンクリートの耐久性を高める混和材を沖縄で製造販売している。原料は県内の火力発電所で石炭を燃やして残るフライアッシュ(飛灰)。灰の中の炭素成分を加熱し改質するとコンクリを長寿命化する建材に変わる。謝花一成社長は「国内唯一とも言える専業メーカーだ」と胸を張る。

コンクリはフライアッシュを施工時に混ぜることで打設後も化学反応で内部の微細な隙間が埋まっていく。塩分が入り込みにくく強度は向上し、コンクリの減容にもつながる。

沖縄にはコンクリ構造物が多い。海の近さや台風の影響で塩害による劣化の課題が目立つ。関西にいた謝花氏は潜在需要を見込み、2012年1月に会社を設立した。技術面は大分大学発ベンチャーのゼロテクノ(大分市)の支援を受けた。

産学連携強みに

フライアッシュを副産物として販売する例は多いが専業は珍しい。現本社に移転し、製造設備を持つ本格的メーカーになり5年が過ぎた。累計出荷量は約1500トンになる。

現在、飛躍を見通す段階にある。沖縄県がフライアッシュの利用指針を定めるなど、追い風が吹き始めた。土木以外に住宅建材の需要も開拓する。年間生産量5000トンの早期実現が当面の目標だ。“風”に乗り、県外市場も現実的になった。「沖縄はアジアの中心。海外展開も可能になる」と期待する。台湾での市場調査を経てニーズは十分あると踏む。

地の利と裏腹に沖縄には物流面での不利がある。そこは開発型メーカーとして知財で克服する。「産学連携の距離が近く、特に琉球大学はコンクリや建材関係の研究者が多い」のも利点。品質向上や生産効率化に対する研究は絶やさず、内外に向けた飛躍への足場を一歩ずつ固める。

【企業概要】

■企業名=リュウクス ■本社=沖縄県うるま市 ■代表者=謝花一成社長 ■製造品=コンクリート混和材

 

【連載】沖縄でつくる 製造業の選択

沖縄県の経済特区への企業誘致が好調だ。県中部の「国際物流拠点産業集積地域うるま・沖縄地区」の立地企業数は2018年3月末で67社となり、前年から9社増え過去最高の企業数を記録した。立地の形態にも変化が見られる。これまでは賃貸工場への入居がメーンだったが、分譲地への進出も多くなっており、分譲地不足の懸念すら出始めた。

沖縄は製造業の“不毛の地”という不名誉な呼ばれ方もあった。事実、県内総生産に占める製造業の割合は低下傾向で、この10年間はおおむね4%台で推移する。好調な観光がけん引し、伸びを見せる建設業やサービス業とは対照的だ。だが、沖縄でモノづくりをする企業は確実にいる。なぜ「沖縄でつくる」のか。立地企業から答えを探る。

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