兵庫県、神戸市は大都市に近接し、国土軸の中枢に位置するなど交通面で利便性が高く、工場やオフィスの立地環境が良好だ。兵庫県は新たな産業用地の造成に取り組む。工業用地が減少している神戸市は、スタートアップ育成に力を入れる。
兵庫県
新たな用地造成へ
地域創生支え、ブランド価値向上も
兵庫県企業庁と小野市は、企業の立地促進、雇用創出などによる地域創生を図るため、新たな産業拠点として小野市市場地区に「ひょうご小野産業団地」の整備を進めている。今秋から、一部区画の公募を開始する予定だ。
整備に当たっては、最新の情報通信技術(ICT)を積極的に活用し、小型飛行ロボット(ドローン)を用いた写真測量による出来高管理や、ICT建機による施工などにより、品質確保や工期短縮を図っている。
同産業団地は、北播磨地域の産業用地が減少している中、注目されている産業用地であり、交通アクセスに恵まれている。大阪市街から50キロメートル圏内に位置し、産業団地内の新都市中央線は既に供用が始まっている。山陽自動車道・三木小野インターチェンジ(IC、三木市)へ5分、中国自動車道・滝野社IC(加東市)へ20分であり、神戸までは45分、大阪までは60分と主要都市との交通も良好だ。国道175号線から加古川市へ通じる東播磨道の整備も予定され、さらなる利便性の向上が期待される。
近隣には小野市の産業の中核を担う小野工業団地・小野流通等業務団地や、地域の拠点医療施設である北播磨総合医療センターなどの施設が集積している。首都圏などからの企業進出も期待でき、兵庫の地域創生を支える都市基盤としての産業用地を目指している。
また、現在分譲中の播磨科学公園都市(たつの市、上郡町、佐用町)、淡路津名地区(淡路市)産業用地への企業誘致も進んでいる。
播磨科学公園都市は地盤が固く安全性に優れた地域。世界最高性能の大型放射光施設「SPring-8」をはじめ、先端科学技術支援センターや兵庫県立大学などの学術研究機関が立地し、企業との共同研究も可能だ。播磨自動車道から山陽自動車道を通じて大阪・神戸へ直結し、20年度には都市内の播磨新宮IC(たつの市)から中国自動車道への延伸も予定され、交通アクセスがさらに改善する。
淡路津名地区は、船舶による国内輸送に対応する公共岸壁を有し、用地は最大約15.6ヘクタールと大規模。地震による津波の影響の少なさや明石海峡大橋通行料金の引き下げも企業立地の追い風となっている。持続する環境の島「あわじ環境未来島構想」を推進する豊かな自然に囲まれた労働環境の良さが、企業のブランド価値向上に貢献している。