JFEスチールと伊藤忠丸紅鉄鋼(東京都中央区)は24日、アラブ首長国連邦(UAE)アブダビに共同で建設した大径溶接鋼管工場が、営業生産を始めたと発表した。合わせてアブダビ国営石油会社(ADNOC)が同国沖合でのガス田開発に使うコンダクターケーシング(掘削作業中の油井管を外圧から守る外殻)用鋼管が、受注第1号になったことも発表した。
中近東産の石油・天然ガスに多く含まれる硫化水素に負けない耐食性の高さなどが評価された。
アブダビ政府系の投資会社を含む3社の合弁で設立した大径溶接鋼管の事業会社、ALガービアパイプ・カンパニーが地元の工業団地に建設した工場が営業生産を始めた。
年産能力は約24万トン(パイプラインで約820キロメートル相当)で、総投資額は約3億ドル(約320億円)に上った。
ADNOCから受注したコンダクターケーシング用鋼管の量は500トン。JFEスチールの腐食対策技術を生かし、サワーガス(硫化水素を多く含む天然ガス)の開発事業に適応させる。