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コラム

【連載】グローバルの眼/プラス成長維持したベトナム経済

【2020年7月17日付 国際面 日刊工業新聞電子版

先行きも内需で持ち直し

新型コロナウイルス感染拡大の影響で世界主要国が軒並み大幅なマイナス成長になる中、ベトナムの2020年4―6月の実質国内総生産(GDP)成長率は前年同期比プラス0.4%と、プラス成長を維持した。輸出が同マイナス8.5%と大幅に減少した一方、民間消費と政府消費を合わせた最終消費は同プラス0.0%、投資を表す総資本形成は同プラス2.3%と、内需がマイナスを回避したことでプラス成長につながった。投資では公共投資が増加した。また、消費は活動制限で4月に大幅に減少したが、制限解除後の5月以降の急速な持ち直しが落ち込みを相殺した。

このように内需がプラスを維持した背景には、ベトナム政府による以下の二つのコロナ対策が効果を発揮したことがあげられる。一つ目は、03年のSARS(重症急性呼吸器症候群)流行時の経験を生かした迅速な感染抑制対応である。ベトナム政府は1月末に中国人観光客から感染者が相次ぐと、速やかに中国人観光客や中国渡航歴がある人物の入国や乗り継ぎを禁止した。その後も、感染がみられた国々からの入国を順次禁止したほか、大規模イベントの中止や国内旅行などの制限も実施した。さらに、3月下旬にベトナム国内における感染拡大の兆しがみえると、厳しい活動制限措置を発動し、感染者隔離と感染ルートの追跡を徹底した。こうした対応が奏功し、感染は4月下旬までに概(おおむ)ね収束し、4月23日には東南アジア諸国連合(ASEAN)で最も早く、経済活動の正常化に舵(かじ)を切った。

二つ目は、迅速かつ効果的な経済支援だ。…

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