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韓国“地の利”アピール セマングム開発庁庁長・李哲雨氏

【2018年06月21日付 総合2面 日刊工業新聞電子版

セマングム開発庁庁長・李哲雨氏

FTA・保税特区、投資呼び込み

韓国政府が国内外の投資を呼び込もうとする地域の一つが、韓国南西部の造成地域セマングム。中国や日本とのアクセスの良さをアピール、保税特区を設けるなどし、日本企業では東レが進出している。同地域の開発を進める中央政府組織、セマングム開発庁のトップ、李哲雨(イチョルウ)庁長に同地域の利点を聞いた。(吉田周示)

―セマングム地域の経済、産業上の強みは何ですか。

「中国市場をターゲットにした場合、上海をはじめとする沿岸部の大都市に対し、韓国国内では最短距離に位置し輸出に有利だ」

―韓国に進出する良さは。

「自由貿易協定(FTA)だろう。韓国は米国、中国など含め、52カ国とFTAを締結している。これは世界の国内総生産(GDP)に占める割合で言えば77%だ。韓国に製造拠点を置くということは、これらの地域に輸出する際に関税面で有利となる」

「中国市場に近く、関税面でも日本から輸出するよりコストに優れる。例えば東レは、セマングムに300億円、約21万平方メートルの投資をし、関税面で6・3%コストダウンできたと聞いている」

―今後の開発予定について。

「セマングムが位置する全羅北道は、韓国の商用車製造の94%が集まっている地域。セマングムの敷地を自動運転の実験基地や、部品の製造拠点として活用してもらいたい。また、かなり広大な地域で段階的な開発にならざるを得ない。韓国政府として推進する再生エネルギー産業に積極的に活用してもらうよう誘致する方針だ」

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