古河電気工業は24日、平塚事業所(神奈川県平塚市)内と、フィリピン・ラグナ州の工業団地内にデータセンター(DC)向け水冷モジュールの製造工場を新設すると発表した。両工場ともに2026年10月の量産開始を予定する。生成人工知能(AI)市場の急成長に伴ってDCで用いられる演算装置の放熱・冷却製品の需要も拡大しており、同社は水冷モジュールの売り上げで初年度となる26年度に60億円、27年度に250億円を目指す。
平塚事業所の新工場は、延べ床面積1911平方メートル。同事業所はDC向け放熱・冷却製品の開発拠点で、設計開発力も強化する。フィリピンの新工場は、延べ床面積1万6406平方メートル。事業継続計画(BCP)を踏まえた多拠点の製造体制を整備する。両工場とも投資額と生産能力は非公表。
DCで用いる中央演算処理装置(CPU)や画像処理プロセッサー(GPU)などの放熱・冷却は、ファンで風を送る空冷方式が主流だが、より冷却効率の高い水冷方式の増加が見込まれており、同社も研究開発を進めていた。