民主・王党派が一触即発
2010年にタクシン元首相を支持する「赤シャツ」が、治安部隊と死者多数を出す衝突をしてから10年が過ぎたタイのバンコク。新型コロナウイルス感染が落ち着いた7月以降、今度は大学生を中心とするいくつかの民主化グループがスマホの交流サイト(SNS)で呼びかける反体制政治集会が頻繁に行われ、今月には数万人規模の集会もあった。
14年5月のクーデター後に軍事政権の暫定首相を約5年間務めたプラユット氏が、19年3月の総選挙を経て同年6月から民政移管されたタイの首相に選出された。しかし民主化グループは「軍政」体質が今も変わらないとして「独裁者」プラユット首相の辞任、憲法改正と王政改革を求めている。新型コロナによる経済悪化が深刻化、若年層の失業も増え、戒厳令やクーデターも取りざたされている。今年のタイの国内総生産(GDP)成長率は最悪のマイナス8%という予想もある。
集会参加者を減らしたい治安当局は15日にリーダー格の学生20人以上を逮捕し、…