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コラム

【連載】グローバルの眼/中国の債務問題と経済成長

【2019年11月13日付 国際面 日刊工業新聞電子版

成長目標「5%以上」の可能性

今回は中国経済が抱える債務問題と経済成長の関係につて解説することとしたい。

中国政府は2018年12月、米中対立の激化で輸出が減少し経済成長に下押し圧力が掛かる中で、「反循環調節(景気減速の押し戻し政策)」と呼ばれる景気対策に舵(かじ)を切った。金融政策の方針を「穏健中立」から「穏健」に切り替え、銀行貸し出しの基準となるローンプライムレート(LPR)を引き下げるとともに、預金準備率を引き下げて銀行の貸し出し余力を増やし、「債務圧縮(デレバレッジ)」を棚上げすることとなった。ただし、中国政府は過剰債務に対する警戒を緩めたわけではない。実際、中国人民銀行は景気対策に舵を切った後も、金融(広義通貨供給量と社会融資総量)の伸びを名目国内総生産(GDP)の伸びと見合ったものにすると繰り返し述べており、名目GDP比で見た債務残高比率が上昇するのを牽制(けんせい)している。

経済成長に下押し圧力をかけるデレバレッジを中国政府が進めた背景には、…

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