ベトナムは「親日」国であることを理由に、多くの日系企業はビジネスの展開がしやすいと考えている傾向がある。ベトナム人が日本に好意を抱く背景やその理由としては、先端技術を使った高い品質や繊細な食文化、アニメ・漫画などといったカルチャーなど、その理由は人によって千差万別だ。
一方で、そのような「親日」が日系企業に対するビジネス上での評価に直接つながるわけではないということも事実だ。かつて日系企業であることや日本製であるだけで評価されていた時代もあったが、世代の変化とともに今ではそれは終わりを迎えつつある。
現在でも一般的にベトナム人が「親日」の意識を持っていることは間違いないが、日系企業で働くとなると話は別だ。特に、日系企業で働くベトナム人にとって、いわゆる日本式の曖昧で明確さに欠ける人事や評価制度は受け入れがたい企業文化と思われている。
現地の日系大企業の一部は人材が豊富で情報収集力にたけているだけでなく、…