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コラム

【連載】グローバルの眼/日米貿易交渉、楽観は禁物

【2019年5月3日付 国際面 日刊工業新聞電子版

大統領選前の批准厳しく

茂木敏充経済再生担当相は4月中旬に行われた第1回日米物品貿易協定交渉について、「早期にいい結果を出すことで日米双方が一致」し、「率直な意見交換で良いスタートが切れた」と述べた。こうした発言で、日米交渉に対する当初の懸念は、かなり薄らいだようにみえる。

しかし、2日間の協議は今後の交渉を進めるための意見交換であり、同相が言うように特定の問題に対して合意が成立したわけではない。つまり日本の対米農産品関税がTPP水準を上限とすることで合意されたわけではないし、米国が国防条項(232条)を発動して日本の自動車・同部品に追加関税を課さず、数量規制も実施しないと決めたわけでもない。

トランプ大統領の攻撃的で、予測不能な交渉スタイルはつとに周知の通りである。強烈な非難と脅しによって、米国に有利な協定を…

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