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コラム

【連載】グローバルの眼/ASEAN5、景気回復にバラつき

【2021年2月3日付 国際面 日刊工業新聞電子版

ワクチン接種の動向カギ

2020年秋以降、東南アジア諸国連合(ASEAN)5(インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム)のうち、ベトナムを除く4カ国で新型コロナウイルスの感染が再拡大し、行動制限の強化に追われている。感染拡大が顕著なのは、マレーシア、フィリピン、インドネシアだが、これまで感染拡大の抑制に成功したといわれてきたタイでも状況は悪化している。行動制限の強化は、20年央から各国で見られていた景気回復の重石(おもし)となっている。

今後の景気回復を見通す上で、ワクチン接種の動向は重要なファクターとなる。米国のデューク大学の研究機関によると、ASEAN5ではベトナム、マレーシア、インドネシアで人口の60%以上のワクチン確保の目途がついているという。他方、フィリピンの確保率は低く、接種見通しに不透明性が高い(1月19日時点)。インドネシアでは、1月に接種が開始し、他の国々でも2月以降に接種が始まる予定である。ただし、ワクチンの生産能力には限界があるため、人口の多くが接種を完了するには1年以上かかるようだ。21年初の感染拡大状況とワクチンの接種見通しを踏まえると、感染の再拡大に直面しているASEAN4カ国で行動制限の解除が可能となるのは21年後半以降となりそうだ。

国別に見ると、感染者が少ないベトナムでは、20年央から…

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