工業団地拡張/公共交通充実/働く女性応援
富山市は工業団地「呉羽南部企業団地」を2倍に拡張し、新たな入居者の募集を始めた。三大都市圏のいずれとも車で3―5時間程度の等距離にある場所の優位性や助成金などの支援策もさることながら、企業誘致の最大の売りは社員とその家族にとっての住みよい環境だ。森雅志市長に企業誘致や産業政策の考えを聞いた。
―市の産業政策で重点を置く点は。
「富山市がまとめた街づくりのビジョンで最大の課題としているのは人口減少。雇用がないと人口力をつけられないので、産業政策こそ一番大事と位置づけている。企業経営者から『ここなら立地したい』と思ってもらわなければならない。そのためのポイントは社員と社員の家族が選ぶ街になること。単身赴任者ばかりの生産ラインでは、経営者も安心して増床できないだろう」
―社員を住みやすくする施策は。
「例えば、2020年3月に富山駅を境に南北で分かれていた路面電車が接続する。これは沿線企業に評価されている。『社員は職住接近でなくてもよくなる。住みたいところに住み、電車で会社に来るようになる』とか『東京に出張に行っても、帰りに駅からタクシーを使わなくてすむ』と期待されている。移動のしやすさが働きやすさにつながり、投資につながる。この点でも路面電車の南北接続は重要な意味がある」
―雇用を促進する助成金の制度を使いやすくしました。
「これまで製造現場で10人以上を新規採用したところに…