ブラザー工業と巴商会(東京都大田区)、横浜国立大学のグループは、福島県浪江町で水素供給を実証するための720メートルと1080メートルの柱上パイプラインを12月上旬に完成する。2022年度から始まる二酸化炭素(CO2)排出量ゼロの産業団地造成や駅前再開発の二つのプロジェクト向けに柱上パイプラインの実用化を目指す。
柱上パイプラインは電柱と同じ高さにパイプラインを敷設して水素を供給する。水素の大量導入に際しては地下埋設パイプラインでの供給が見込まれるが、需要地が近いエリアでは柱上での供給により設置コストを大幅に低減できる。柱上パイプラインのコストは埋設式の水素パイプラインの15分の1ともいわれ、経済産業省が浪江町に委託し、浪江町から受託した3者が2年間の計画で研究開発を進めてきた。
20年度の評価を踏まえ、…