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コラム

【連載】グローバルの眼/政情混迷深まるペルー

【2019年12月6日付 国際面 日刊工業新聞電子版

釈放後のケイコ氏 動向カギ

南米の有力新興国ペルーでは、大統領による議会解散をきっかけに政情が混迷する中、不正資金疑惑で身柄を拘束されていた野党党首ケイコ・フジモリ氏(フジモリ元大統領長女)がこのほど釈放された。ケイコ氏の今後の出方が、ペルー政治の行方を占う大きなカギとなりそうだ。

ペルー政情混迷の背景には、汚職対策をめぐる政府と議会との根深い対立がある。同国ではブラジルの建設大手「オデブレヒト社」の贈賄事件に関与した容疑で、歴代4人の大統領らが検察の追及を受けている。ケイコ氏も同事件絡みで昨年10月から身柄を拘束された。ビスカラ現大統領は、汚職容疑で辞任したクチンスキー前大統領の後を受け、昨年3月副大統領から昇格、政治・司法改革に着手した。しかし、ケイコ氏を党首とする最大野党「フエルサ・ポプラル」(FP)が多数派の議会は、大統領主導の改革に反発、双方の対立が激化。9月末、憲法裁判所判事任命問題のこじれから、大統領は議会解散という非常手段に訴えた。

FPなど野党勢力が大統領による“クーデター”と激しく非難する中、…

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