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コラム

【連載】グローバルの眼/タイで課題、日系企業の処方箋

【2020年2月6日付 国際面 日刊工業新聞電子版

「点→面」で拠点活用を

「インダストリー4・0」政策下、産業のハイテク化に関心が高まっている(マニュファクチャリング・エキスポ2019)

タイは、日系企業にとって、東南アジア諸国連合(ASEAN)における最大の集積地である。日本のタイ向け直接投資残高は約7兆円(2018年末)で、インドネシア向けの約2倍、ベトナム向けの約4倍の規模となる。タイ進出日系企業数は5000社を超え、同国は「ASEANの工場」の異名もある。筆者は、19年12月に、みずほ銀行バンコック支店主催セミナーの講師を務めた。本稿ではセミナー時の様子も踏まえつつ、タイにおいて日系企業が直面している課題とその処方箋について考えてみたい。

第1の課題は、バーツ高への対応であった。ASEANでは、経常赤字で資金不足に悩む国が多いが、タイは経常黒字国である。19年3月の総選挙を経て、軍政下で閉会されていた議会が再開されたうえに財政も健全なため、海外から資金が流入して19年は対ドルで7%ほどバーツ高が進展した。産業集積が進んでいるタイでは、現地調達率が高いために輸入依存度は低く、バーツ高を輸入増に生かせない。結果的に、日系輸出型企業の収益は押し下げられていた。

第2の課題は…

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