ASEANと2極生産
みずほ総合研究所では、毎年2月に会員企業を対象にアジアビジネスアンケートを実施しており、1000社超から回答を頂いている。本稿では、2019年2月に実施した直近の調査結果(1072社回答)を紹介したい。まず、アジアの拠点別の収益満足度DI(満足から不満を控除して算出)をみると、中国、新興国(NIEs)、東南アジア諸国連合(ASEAN)はいずれも前回調査ではプラスであったが、今回調査では中国はプラス圏を維持するも低下、NIEs・ASEANはマイナスとなった。世界・中国経済の減速を受けた結果である。特に中国の実質国内総生産(GDP)成長率が28年ぶりの低水準の6・6%にとどまった影響は大きく、対中輸出依存度の高い周辺国・地域のDIがより低下する結果となった。なお、7%超の成長が続いたインドのDIはマイナスが続くも大きく改善した。
今後2―3年については、中国拠点においては中国の景気と米国との貿易摩擦の顕在化を懸念して増産を見送り、…