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コラム

【連載】グローバルの眼/中国、キャッシュレス化の裏側

【2019年5月10日付 国際面 日刊工業新聞電子版

SNS派生機能で急進展

日本でも中国の電子決済普及の影響を受け、ウィーチャットペイやアリペイなど、訪日中国人観光客へのキャッシュレス対応が進んでいる

私はよく地方都市で講演会を行う機会をいただくが、企業経営者から頻繁に聞かれる質問に「中国では本当にもう現金は使わないのですか」というものがある。中国ではスマホを使ったモバイル決済が主流となっているという話が日本でしばしば報道されるからだが、実際のところは、そんなことはない。

約14億人の人口を抱える中国で、モバイル決済をしているのは約8億人といわれる。代表的な決済機能はアリペイ(支付宝)とウィーチャットペイ(微信支付)という二つで、両方ともスマホのアプリに入れて使っている人が多いが、沿海部、内陸部にかかわらず、高齢者の使用は比較的低く、中国全体が完全にキャッシュレス社会に移行した、というのはいい過ぎだ。

現に、頻繁に中国に取材に行く私自身、現金も使うと説明すると、多くの日本人はほっとしたような表情を浮かべる。だが、同時に次の質問として…

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