米中摩擦の影響が一段と深刻化する中、中国の対欧州への接近ぶりが目立ってきた。米トランプ政権との確執を抱える欧州との連携を強化することで、長引く米中通商協議の局面打開を有利に図っていこうとの思惑がうかがわれる。
先月末には北京で、中国が主導する広域経済圏構想「一帯一路」の第2回国際協力サミット・フォーラムが、前回を上回る37カ国の首脳の参加も得て開催された。同構想への参画表明は、今や世界126カ国(2015年時点では63カ国)と29の国際組織にまで達している。中でも最近顕著なのが、欧州諸国からの増加だ。例えば、18年12月のポルトガルをはじめ、19年3月のイタリア、ルクセンブルクなどであり、欧州連合(EU)加盟28カ国中16カ国に及ぶ。
そうした状況下にあって、中国の習近平国家主席が本年初の外遊先として選んだのは、西欧3カ国であった。3月の同期間中、EU側の対中警戒感を払拭(ふっしょく)させるべく…