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コラム

【連載】グローバルの眼/ルクセンブルクのグローバル戦略

【2020年4月22日付 国際面 日刊工業新聞電子版

民間宇宙ビジネス推進

神奈川県ほどの面積に人口63万人の国ながら、国民1人当たりの国内総生産(GDP)で20年以上にわたり世界トップを保持するルクセンブルク。国内にある銀行127行の内、自国の銀行は8行のみで、残りは外資銀行。なぜ、これほど外資を呼び込むことに成功したのか。ルクセンブルク貿易投資事務所の松野百合子氏と中丸直哉氏によると、その理由として、(1)国境を超えた金融取引が可能となるように法制度を整備(2)先進国の中でも比較的税率が低いこと(3)フランス、ドイツ、ベルギーと隣接するため英語、フランス語、ドイツ語が通じること(4)欧州全域への優れたアクセスによりEU市場展開への足掛かりとして活用しやすいこと―があげられるという。

近年では、この金融でのサクセスストーリーに続けと、宇宙分野での海外企業誘致に力を注いでいる。同国が欧州有数の宇宙ビジネス推進国として注目され始めた契機は、2016年2月に同国政府が発表した民間宇宙資源商用化に向けた政策「spaceresources.lu」である。

17年には、小惑星資源の所有権を企業に与える新法を制定。これは、…

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