人材紹介ビジネスに携わっている中で、一番落ち込む出来事がある。顧客企業から紹介した人材の退職話を聞いた時だ。だが、冷静に考えると我々以上に落胆しているのは顧客企業だ。また一から採用活動することを考えると、人材を紹介した立場として申し訳ない気持ちになる。
韓国の取引先企業で組織管理の悩みを聞くと「人材採用の難しさ」と同様に「優秀な人材の離職防止」を挙げる方が非常に多い。2018年に当社が実施した企業向けアンケートでは、在韓日系企業の37%が離職率10%以上と回答した。
では、離職する人は元来ジョプホッパーだったのだろうかというと、決してそうではない。転職希望者に行ったアンケートでは、全体の43%が転職後は定年まで同じ会社での就業を希望している。日本と同様に終身雇用の制度が崩壊しつつある韓国で、この数値は高い。
日系企業を渡り歩く人は少なからず存在するが、大多数は入社後の理想と実態のギャップで…