米シェールに凱歌か
米国産標準油種(WTI)先物価格は、年初には1バレル=60ドル程度だったものが、3月下旬には1バレル20ドル前後にまで急落している。協調減産がまとまらず、サウジアラビアとロシアがともに増産に乗り出しているからだ。この水準では、産油国の財政はどこもお手上げになるだろう。
米国のシェール開発業者も、この価格では採算が取れないはずだ。彼らはウォール街のハイイールド債市場から資金を調達しており、そこには運用難に苦しむジャパンマネーも流入している。日本経済としても「安い石油」を手放しで歓迎するわけにはいかない。
「シェール業者危うし」という声は、2014年から16年にかけての…