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特集

【連載】沖縄でつくる 製造業の選択(5)トランスコスモス モノづくり支援、航空機も視野

【2018年8月2日付 中小企業・地域経済面 日刊工業新聞電子版

移転拡張した「BPOセンター沖縄うるま」。今年6月に稼働した

設計開発を受託

日本の製造業を下支えする―。トランスコスモスは沖縄でモノづくり支援の強化に動いている。大手メーカーの設計・開発を受託し生産性を高める「エンジニアリングサービス」だ。6月に県中部・うるま市の新施設に移転拡張し、新たなスタートを切った。

業務受託(BPO)大手の同社は1999年に沖縄に進出。コールセンターなど県内10拠点を構える。観光に次ぐ沖縄県の柱となった情報通信産業の中核企業の一つだ。

エンジニアリングサービスでは10年に進出。船津康次会長兼CEO(最高経営責任者)は「ニーズは高い。安定した採用と人材確保がきっちりできる」と沖縄強化の背景を説明する。製品設計、組み込みソフト開発など直接的な領域と、付帯する事務業務や情報面の支援など間接領域の二つがサービスの柱だ。

最大規模の拠点

機械製造と縁遠い沖縄で当初2年間は試行錯誤。現場見学など顧客の協力や、うるま市と協調した人材育成で基盤を固め、拡大の足場を築いた。

19年度には今の220人から、600人体制に拡大する。国内と中国、ベトナム、タイで展開する同サービス事業の中で沖縄は最大規模の拠点となる。

都市部から地方へ外注するニアショアとしての立ち位置だけでなく、沖縄でのシナジー(相乗効果)創出も視野に入れる。県が集積を見据える航空機関連分野だ。

那覇空港ではANAホールディングスが航空機整備事業を19年1月にも稼働する。地の利を生かしアジアの需要を取り込む狙いで「グローバル対応を志向する部分は一緒」(船津会長)とする。技術認証などで支援できると見ており、沖縄の航空機産業でもキープレーヤーとなるべく連携を模索する。

【企業概要】

■企業名=トランスコスモス ■本社=東京都渋谷区 ■代表者=奥田昌孝社長 ■提供サービス=BPO事業

 

【連載】沖縄でつくる 製造業の選択

沖縄県の経済特区への企業誘致が好調だ。県中部の「国際物流拠点産業集積地域うるま・沖縄地区」の立地企業数は2018年3月末で67社となり、前年から9社増え過去最高の企業数を記録した。立地の形態にも変化が見られる。これまでは賃貸工場への入居がメーンだったが、分譲地への進出も多くなっており、分譲地不足の懸念すら出始めた。

沖縄は製造業の“不毛の地”という不名誉な呼ばれ方もあった。事実、県内総生産に占める製造業の割合は低下傾向で、この10年間はおおむね4%台で推移する。好調な観光がけん引し、伸びを見せる建設業やサービス業とは対照的だ。だが、沖縄でモノづくりをする企業は確実にいる。なぜ「沖縄でつくる」のか。立地企業から答えを探る。

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