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特集

【連載】沖縄でつくる 製造業の選択(6)リムコ 養蚕復活、カイコで医薬原料

【2018年9月6日付 中小企業・地域経済面 日刊工業新聞電子版

沖縄で盛んだった養蚕を、医薬品原料の生産手段として復活させようと取り組んでいるのがリムコだ。研究開発型ベンチャーで、8月には日東紡とメディカル事業で資本提携した。「第2創業と位置付け、蚕業(さんぎょう)イノベーションを進める」と、小河晋悟社長は意気込む。

遺伝子組み換え

リムコがカイコ由来の試薬原料を供給する日東紡の骨粗しょう症診断キット オステオリンクス「TRAP―5b」

カイコの利用は抽出物の純度の高さが品質向上やコスト低減につながる。動物愛護の面でもマウスやウサギを代替できる。リムコは遺伝子組み換えでカイコ自体を変質させる点が特徴。1匹ずつ注射して培養する手法と異なり、多世代にわたり同じ性質のカイコが生まれるため、繁殖増が生産増に直結する。

医療振興追い風

小河社長が「認可診断薬の原料を製造するのは沖縄初だろう」と胸を張る今回の提携。日東紡の骨粗しょう症診断薬の試薬原料を供給する。日東紡も「メディカル事業を第2の柱にするための強化・拡大の一環」(戸田数久専務執行役)と資本提携に期待をかける。

カイコの技術は両社保有しており、農研機構の同一技術を元とする。原料製造を他社からリムコに移すことで同じルーツの技術で研究と製造を一貫できる。琉球大学を加えた共同研究も見据える。

「先行事例になりたい」と小河社長は沖縄での成功にこだわる。国や沖縄県が進める医療産業の振興との連携を追い風にできる。製品が小型軽量で、物流面でもアジアとの地の利を生かしやすい。カイコのえさとなるクワ栽培では県内で協業を模索するなど、“蚕業化”に力を尽くす。

【企業概要】

■企業名=リムコ ■本社=沖縄県うるま市 ■代表者=小河晋悟社長 ■製造品=医薬品原料

 

【連載】沖縄でつくる 製造業の選択

沖縄県の経済特区への企業誘致が好調だ。県中部の「国際物流拠点産業集積地域うるま・沖縄地区」の立地企業数は2018年3月末で67社となり、前年から9社増え過去最高の企業数を記録した。立地の形態にも変化が見られる。これまでは賃貸工場への入居がメーンだったが、分譲地への進出も多くなっており、分譲地不足の懸念すら出始めた。

沖縄は製造業の“不毛の地”という不名誉な呼ばれ方もあった。事実、県内総生産に占める製造業の割合は低下傾向で、この10年間はおおむね4%台で推移する。好調な観光がけん引し、伸びを見せる建設業やサービス業とは対照的だ。だが、沖縄でモノづくりをする企業は確実にいる。なぜ「沖縄でつくる」のか。立地企業から答えを探る。

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