台風の傷はいまだ癒えない。猛威を振るった台風19号の上陸から12日で1カ月が経過する。各地で河川の氾濫が相次ぎ、工場が浸水するなど多くの企業が打撃を被った。1カ月間で操業再開にこぎ着けた企業も増えてきたが、特に中小企業では防災や事業継続計画(BCP)でさまざまな課題が浮き彫りになった。浸水被害を受けた長野市の北部工業団地、福島県郡山市の郡山中央工業団地、栃木県足利市の毛野東部工業団地を中心に、復旧に取り組む姿を追った。
長野市/受電設備回復にめど
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「電気がないと何もできない」―。千曲川の氾濫で浸水被害を受けた北部工業団地に拠点を置く中小製造業から、被災当初はこんな悲鳴が多く聞こえてきた。押し寄せた泥水は深い所で2メートルに達し、生産設備が水没。その復旧のネックになったのが、動力電源の受電装置も使えなくなったことだ。
同工業団地は…