2020年の中南米情勢の注目点は、メキシコとアルゼンチンを中心とする左派勢力再結集の動きがどうなるかだ。とりわけ、アルゼンチン新政権の動向が重要なカギとなりそうだ。
19年11月、反米左翼のモラレス・ボリビア大統領が大統領選をめぐる不正疑惑から辞任しメキシコに亡命、その後、最終的にアルゼンチンに亡命したニュースはまだ記憶に新しい。注目すべきは、メキシコの“変身”ぶりだ。同国のロペスオブラドール政権はこれまで、内政最優先をモットーとし、外交面では消極的な姿勢が目立った。ところが、今回のボリビア政変ではいち早く「クーデター」と非難、モラレス氏の亡命を積極的に受け入れた。メキシコ外交の変化の兆しはこれ以前に現れていた。19年7月、…