「自社で人材を募集したが、良い候補者がいないし、来ても数が集まらない。何とかしてほしい」―。マレーシアの日系企業幹部からよく聞く悩みだ。
以前、JACマレーシアを利用して転職した250人に聞き取り調査をしたところ、転職理由の1位が「給与に不満」で全体の44%を占めた。2位が「労働条件に問題」(17%)、3位が「仕事内容」(14%)。マレーシア人にとって、給与の良さが転職を決める絶対条件と言える。
JACグループは毎年、アジア各国の給与を調査している。年収を日系と外資で比較すると、下限の額はほぼ同等だが、上限となると職種によっては外資が日系企業の3倍という職種もある。いまだに「アジアの人件費は安い」という固定観念を持つ日系企業が多いため、市場の給与水準よりも低い…