英EU離脱で企業萎縮
世界経済への懸念が高まっている。原因の筆頭に挙がるのは中国景気の減速だが、「欧州の政治と経済の不透明感」への言及も増えている。ユーロ圏経済は2017年に2・4%と10年ぶりの高成長を遂げたあと、18年は減速傾向が続いた。経済規模が最大のドイツが18年後半に失速し、19年に入っても製造業の景況感悪化に歯止めがかかっていない。ドイツは貿易依存度が高く、中国や他の新興国の需要減退の影響を大きく受けるが、もう一つ目立つのが英国向けの輸出の落ち込みである。欧州の第一の政治不安である英国のEU離脱(Brexit)の不透明感が影を落としている。
中国の景気減速の主因は米国との貿易摩擦の激化であり、現在の欧州の政治と経済の不透明感のルーツは16年にあると言える。16年6月の国民投票で英国はEU離脱の方針を決定し、11月の米大統領選挙でトランプ氏が勝利した。どちらもメインシナリオとして…