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コラム

【連載】グローバルの眼/新型コロナ禍の社会

【2020年4月9日付 国際面 日刊工業新聞電子版

国の介入バランス問われる

2020年始め、武漢で新型コロナウイルス発生か、とのニュースを聞いた時、どれだけの日本人が当時、今日のような世界的規模での社会混乱を想像しただろうか。人の関心は、常に外部世界に向かうが、そこで起こっていることが、自分たちの世界にまで及んでくるとは、なかなか思い至らないものなのだ。だが、身近に感染者が出始め、外出自粛が求められ、人の集まる場所が実際に閉鎖され、海外との人の往来が事実上ストップするような事態がくれば、さすがに、問題を我が身の周辺に引き寄せて理解する。凡人にとって、恐れを背景とする思考が働き始めるのは、結局、そんな事態になってからなのだ。

新型感染症の猛威が、その後の社会に大きな影響を与えた歴史を初めて知ったのは、…

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