強まる米の対中攻勢
7月31日付の本欄で、米中休戦は一時的なものだと書いた。しかし、まさかトランプ大統領が1カ月で対中攻撃を再開し、戦線を通貨にまで広げるとは予想外であった。来年の大統領選挙が迫るにつれて、トランプ大統領の行動はますます予測不能となり、世界経済はそのたびに混乱させられる。
トランプ大統領は8月1日付のツイッターで、9月1日から実施する対中輸入品3000億ドル分に対する10%の追加関税(第4弾)の理由を挙げた。つまり、(1)再開した米中交渉が進展しない(2)中国が約束した米農産物買い付けが実行されない(3)習近平主席が米国に輸出しないと言ったフェンタニル(強力な合成麻薬)の流入が続き、米国人の死者が増えている、などである。
第4弾の追加関税は当初…