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コラム

【連載】アジア人材活用術(17)香港 香港人の本質理解が定着の秘訣

【2018年11月2日付 総合4面 日刊工業新聞電子版

当社でも定期的に社内イベントを開き、社員との交流を図っている

香港のビジネスパーソンたちは「小銭を支出することを躊躇(ちゅうちょ)していては、大きな幸せは巡ってこない」とよく口にする。これに関連し、香港の企業では高い頻度で社員向けのイベントを行う文化がある。例えば、アジアの伝統的な行事である中秋節には月餅を配り、正月にはお年玉も支給する。他にも、社員の誕生日祝いや、業績達成を祝う会など例を挙げればきりがないほどだ。「なぜそんなに時間とコストをかけて、社内イベントを開く必要があるのか?」と思う方もいるかもしれないが、香港では全体的に離職率が高いことから、会社が社員を必要としている姿勢を見せることを目的としている。

香港人が会社を辞めるきっかけの大きな理由の一つは「自分はこの会社にいる必要はない」と思った時だ。彼らは日本人以上にウェットな性格で、人間関係を重視する側面がある。そのため、会社は「社員が必要」と伝えることが香港での企業経営において重要なのだ。特に優秀な社員に対しては、会社が必要なことを強調し、特別扱いすることも大切だ。

在香港の日系企業の方々とこの課題について話をすると「会社の業績が悪いのにコストばかりかかる」…

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