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特集

【連載】沖縄でつくる 製造業の選択(特別編)機器製造、アジア・アフリカへ

【2018年11月15日付 中小企業・地域経済面 日刊工業新聞電子版

健康医療×モノづくり 新産業の屋台骨を強く

レキオ・パワー・テクノロジーが開発した超音波エコー装置(左)。医療用としてアフリカの途上国に展開

産業としての「健康長寿」が沖縄を支える日が来るかもしれない。沖縄県内では再生医療の実証研究が広がっており、製造業との相乗効果を生む期待がある。同時に、健康・医療に関連するモノづくり分野で沖縄に事業展開し、実績を上げる企業も目立ってきた。

【日本品質売りに】

レキオ・パワー・テクノロジー(那覇市)は、特許切れ技術を使う「ジェネリック医療機器」メーカー。低価格の超音波エコー装置を開発、沖縄で製造する。パソコンにUSB端子でつなぐシンプルさに加え、診察する手元の画像とエコー画像を同時に記録するシステムで機能性を高めた。医療用ではアフリカの途上国を中心に展開し、認証のハードルが高い日本国内では教育用で顧客を広げている。

沖縄医療機器開発事業(沖縄県豊見城市)は、東・東南アジアへの沖縄の立地優位性を強みにする。内外メーカーから医療機器の製造を受託し、沖縄で生産。中国などに向けて出荷している。「日本製の世界的信用があり、やりやすい」と高谷彰之社長は話す。

医薬品ではリムコ(同うるま市)が医薬品原料を沖縄で生産する。沖縄で盛んだった養蚕技術を生かした製法で日東紡と連携して認可診断薬の原料製造にも取り組む。

【ベンチャー支援】

健康分野では、沖縄科学技術大学院大学が支援するグループ「ショーディッチ―ソン」が注目株。高機能サプリメント技術を開発するほか沖縄素材の栄養素にも着目している。世界水準の研究体制を持つ同大学が、初の学外ベンチャー支援制度で援助している。

沖縄は医療ツーリズムと親和性が高く、プロスポーツ産業が拡大している。健康医療とモノづくりという柱が太くなれば、力強い屋台骨になる。

 

【連載】沖縄でつくる 製造業の選択

沖縄県の経済特区への企業誘致が好調だ。県中部の「国際物流拠点産業集積地域うるま・沖縄地区」の立地企業数は2018年3月末で67社となり、前年から9社増え過去最高の企業数を記録した。立地の形態にも変化が見られる。これまでは賃貸工場への入居がメーンだったが、分譲地への進出も多くなっており、分譲地不足の懸念すら出始めた。

沖縄は製造業の“不毛の地”という不名誉な呼ばれ方もあった。事実、県内総生産に占める製造業の割合は低下傾向で、この10年間はおおむね4%台で推移する。好調な観光がけん引し、伸びを見せる建設業やサービス業とは対照的だ。だが、沖縄でモノづくりをする企業は確実にいる。なぜ「沖縄でつくる」のか。立地企業から答えを探る。

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